人口が減少してゆく地域経済を維持・拡大する方法として、「観光ビジネス」に期待が高まっています。本サイトも、それを「九州を中心に、日本に来る外国人を増やす」という面でお手伝いしたいと考えています。

その理由に関しては、下記に、詳しく記載されています。


観光立国推進戦略会議 観光実務に関するワーキンググループ資料(出典:国土交通省)

 

観光と地域経済

特に注目すべきは、下記の試算です。

つまり、定住人口の減少を、流入人口(外客)によって補うことによる成長戦略が記載されています。そして、その効果的な手法として、外国人る旅行客の誘致が効果的であることが書かれています。

外国人旅行客の消費動向に関して、2015年1月30日の発表は、以下の通りとなっています。


訪日外国人消費動向調査の結果概要

これらの中から、いくつか注目すべき表をピックアップします。

訪日外国人一人当たりの旅行支出。中国を筆頭に、いずれも、高い消費額を記録。

訪日外国人一人当たり費目旅行支出。


また、中小企業庁の下記のようなレポートにも、この点は、記載されています。


中小企業・小規模事業者が直面する経済・社会構造の変化

この中で、注目すべきは、P.70の下記の表です。観光消費22.4兆円が、46.4兆円の精算波及効果を生み、雇用誘発効果が397万人という試算を行っています。

これらの情報をまとめると、

1.人口が減少する地域の経済を維持し、雇用を守ることに、観光の振興は効果的である。

2.観光業はすそ野が広く、経済波及効果が高い。

3.消費額が多い、訪日外国人客は、経済的な効果が高い。

ということになります。


日本の観光業の概要

日本の観光業に関する資料は、下記に詳しく記載されています。

 

2014 数字が語る旅行業 - 社団法人・日本旅行業協会

 

この中から、いくつか、特徴的な表をピックアップしてみます。

P.2より。日本の旅行市場は、22.5兆円です。



P.2より。「今後生活で重視したいもの」で、1983年以来、連続して第一位です。


P.8より。年間延べ宿泊数は、4億5,600万人泊と推察されます。

世界の国際観光到着数(海外旅行者数)は10億3,500万人。観光収入は1兆750億米ドル(約130兆円)です。



観光振興が、地域の活性化に役立っている事例を、いくつか紹介したいと思います。

「お金は経済の血液」と言います。お金が回るということは、そこで消費が行われているということであり、つまりは、仕事がある地域です。お金が回らない地域では、そこに仕事はなく、人は住みたくてもなかなか住めません。そこに住むためには、ほかの地域でお金を稼ぐか、すでに十分お金を持っていて、その地域でお金を稼ぐ必要がないか、もしくは、お金を使わない生活をするかを選ばなくてはなりません。

すなわち、お金の回らない地域で生活を続けることは、かなり、ハードルが高いものとなり、必然的に、それ以外の地域に移動をする人が多くなります。結果、その地域は、人がいなくなり、消滅してゆくのです。

これが、良い事か、悪い事かは分かりません。無理に、維持をするよりは、自然の流れに任せる方が、良いという考え方もあります。

いずれにせよ、地域にせよ、街にせよ、要はお店と一緒で、「人が集まり、消費活動が行われる」場所しか、維持ができなくなるというのは、よく考えてみると、当たり前のことなのです。

 

日本は、その技術力を生かした、加工貿易という手段で、日本から生み出された工業製品が、世界中でお金を稼いできていました。人が地域に来て、お金を使う代わりに、地域で生み出した製品が、世界中でお金を稼いでくれていたのです。

 

新興国が台頭し、必ずしも、日本の製品レベルまでには到達しなくとも、日常生活では困らないレベルの商品が、大量に安価で生産されるようになりました。

 

ルールは変わりました、これからは、その変わったルールに対して、適応ができる地域とできない地域で、その場所の10年後の風景が変わるという事でしょう。そしてそれは、個人の感情や思いとは全く別に、粛々と、自然に変化してゆくはずです。

 

しかし、人間は、未来を変える力があります。そして、未来を変える為に努力が必要なことは、これまでの歴史が証明しています。